契約書は婚姻届
「……うん」

苦笑いの明夫に、思わず左手薬指の指環を隠してしまう。
まるで、物に釣られたようで恥ずかしくなったからだ。
洋太は我関せずと、無言でメニューを睨んでいる。

「例の元婚約者の件は片付けましたし、朋香には改めて、永遠の愛を誓いましたから大丈夫です。
……ねえ、朋香」

「……うん」

レンズの奥の目を細め、うっとりと見つめられると頬に熱が一気に上がっていく。
すっかり俯いてしまった朋香に尚一郎が小さくふふっと笑って、さらに顔が熱くなった。

「あーもー、熱くてやってらんねー。
尚にぃ、シャンパン頼んでいい?」

「シャンパンでもワインでも。
なんでも好きな物を頼んでいいよ」

「やりぃ」

おかしそうに笑う尚一郎に大喜びで洋太は店員を呼んで注文を始めた。
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