契約書は婚姻届
そう泣いているようで、朋香を悲しくさせる。

「……やっぱりやめよう」

「尚一郎さん?」

急に我に返ったかのように、離れた尚一郎に首を傾げてしまう。

「こんな、慰めてもらうように朋香を抱くのは嫌だよ。
ましてや、朋香との初めてがこんなのなんて。
朋香とはもっと、Romantische(ロマンチック)に愛し合いたい」

はっきり口に出されると恥ずかしくなる。
黙ってしまった朋香にちゅっと軽く口付けを落とすと、尚一郎は膝の上に抱き上げた。

「僕をぎゅっと抱きしめて。
そして愛してるって囁いて。
たとえそれが、嘘でもかまわないから」

レンズの向こうの少し潤んだ碧い瞳に、心臓が鷲掴みされたかのように苦しくなった。

「愛してる。
尚一郎さんを愛してる。
嘘じゃない、から」
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