契約書は婚姻届
お義父さんにプレゼントがあるんです、そう云われて工場を出ると、駐車場に見たことのない外車が二台停まっている。
一台は尚一郎のものだと思われるが。
「お義父さんにプレゼントです。
ぜひ、使ってください」
「えっ、あっ」
キーをその手に載せられて明夫はわたわたしている。
一介の町工場の社長には不釣り合いな、高級外車。
しかも、どこで調べたのか以前から明夫が、
「あんな車を乗り回してみたい」
と冗談混じりに云っていたBMW。
「あの、こういうのは、その」
「押部社長。
こういうことは」
「いけないかな、朋香?
息子からのプレゼントなんだけど。
お義父さんは受け取っていただけませんか?」
「いえ、そんな!」
しゅん、悲しげに表情を歪ませてしまった尚一郎に、気分を害されてしまっては大変だとばかりに、大慌てで明夫が取り繕った。
一台は尚一郎のものだと思われるが。
「お義父さんにプレゼントです。
ぜひ、使ってください」
「えっ、あっ」
キーをその手に載せられて明夫はわたわたしている。
一介の町工場の社長には不釣り合いな、高級外車。
しかも、どこで調べたのか以前から明夫が、
「あんな車を乗り回してみたい」
と冗談混じりに云っていたBMW。
「あの、こういうのは、その」
「押部社長。
こういうことは」
「いけないかな、朋香?
息子からのプレゼントなんだけど。
お義父さんは受け取っていただけませんか?」
「いえ、そんな!」
しゅん、悲しげに表情を歪ませてしまった尚一郎に、気分を害されてしまっては大変だとばかりに、大慌てで明夫が取り繕った。