契約書は婚姻届
姿勢を戻すと、レンズ越しに目のあった尚恭が、困ったように笑った。
「本当に申し訳ありません。
連絡を受けてすぐに駆けつけたのですが、あそこに入るには私でも、いろいろ面倒なのです」
「はあ……。
その、……連絡、って」
少し、引っかかっていた。
どうして尚恭に自分の状況がわかったのだろう、と。
「本邸には数人、スパイを潜り込ませています。
ああ、私だけではないですよ。
尚一郎も潜り込ませているはずです」
「そうなんですか……」
家族間でスパイが必要などと、押部の家はいったい、どうなっているのだろう。
単純に尚一郎が嫌いだからだと思っていた。
けれど問題はもっと、複雑なようだ。
「失礼します」
急に視界に入ってきた男に驚いた。
「本当に申し訳ありません。
連絡を受けてすぐに駆けつけたのですが、あそこに入るには私でも、いろいろ面倒なのです」
「はあ……。
その、……連絡、って」
少し、引っかかっていた。
どうして尚恭に自分の状況がわかったのだろう、と。
「本邸には数人、スパイを潜り込ませています。
ああ、私だけではないですよ。
尚一郎も潜り込ませているはずです」
「そうなんですか……」
家族間でスパイが必要などと、押部の家はいったい、どうなっているのだろう。
単純に尚一郎が嫌いだからだと思っていた。
けれど問題はもっと、複雑なようだ。
「失礼します」
急に視界に入ってきた男に驚いた。