契約書は婚姻届
『それはよかった。
しばらく、のんびりしとくいいよ。
僕からCOOにお願いしとくから』

「でも……」

いいのだろうか。
達之助を怒らせて本邸を出てきてしまった。
いまさらながら、どんな制裁があるのか恐怖した。

『大丈夫だよ、朋香はなにも心配しなくて。
だいたいCOOが、朋香には指一本ふれさせないって云うから、本邸に行くことを許可したっていうのにあんな……。
あ、なんでもないよ』

「はあ」

慌てて誤魔化してこられても困る。
もしかして、尚一郎と尚恭はなにか、約束でもしたのだろうか。

『とにかく、二度とあんなことはないようにするから、安心していい』

「……はい」

『Meine susse susse 朋香(僕の可愛い可愛い朋香)。
Du fehist mir(君がいなくて淋しい).
Ich will dhich sehen und sofort umarmen(会いたい、今すぐ抱きしめたい) 』
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