契約書は婚姻届
結局、二週間ほど尚恭の元で働いた……といえるかどうかは怪しいが。
そろそろ、尚一郎が約束したひと月が過ぎようとしている。
尚恭の話だと、ヨーロッパ本社の業績も徐々にだが上向きはじめ、そう遠くないうちに尚一郎の役目も終わるんじゃないかという。
さらに。
「いってらっしゃいませ」
「なにを云っているんですか?
朋香さんも一緒に行くんですよ」
「はい?」
ヨーロッパ視察に行く尚恭を見送りにきた朋香だったが、専用ロビーから出国手続きに向かう尚恭がさも当たり前のように云うものだから、思わず大きくぱちくりと瞬きをしてしまう。
「でも、なにも準備してないですし。
パスポートとか」
そもそも、尚恭の見送りだけだと思っていたので、携帯くらいしか持っていない。
そろそろ、尚一郎が約束したひと月が過ぎようとしている。
尚恭の話だと、ヨーロッパ本社の業績も徐々にだが上向きはじめ、そう遠くないうちに尚一郎の役目も終わるんじゃないかという。
さらに。
「いってらっしゃいませ」
「なにを云っているんですか?
朋香さんも一緒に行くんですよ」
「はい?」
ヨーロッパ視察に行く尚恭を見送りにきた朋香だったが、専用ロビーから出国手続きに向かう尚恭がさも当たり前のように云うものだから、思わず大きくぱちくりと瞬きをしてしまう。
「でも、なにも準備してないですし。
パスポートとか」
そもそも、尚恭の見送りだけだと思っていたので、携帯くらいしか持っていない。