契約書は婚姻届
「それで。
結納につきましては大変申し訳ないのですが、僕の都合で省略させていただきます。
もう、籍も入れたことですし」

「わかりました」

明夫は神妙に頷いているが、朋香は少し引っかかっていた。

別に結納とかめんどくさいことがやりたいわけじゃない。
現に亮介との話では結納はやらない予定だった。

けれど、あのオシベの御曹司が、結納省略なんてあるんだろうか。

「それから。
順番が前後して申し訳ないんだけど。
……朋香。
僕と結婚してくれてありがとう。
受け取って欲しい」

差し出されたグレーのケースはだいたい察しがつくが、開けたらその通りにダイヤの指環が入っていた。

「本当はオーダーしたいんだけど時間がなかったから、とりあえずこれで我慢して欲しい。
改めて、婚約指環と結婚指環を作ろう」
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