契約書は婚姻届
さらには尚一郎の元までわざわざ、送り届けるまで。

感謝してもし足りないくらいなのに、この態度。

「……しょーいちろーさーん」

「ひぃっ!」

地の底に響きそうな朋香の声に、尚一郎が小さく悲鳴を上げる。

「なんですか、その態度は!
私はとても、お義父さんにお世話になったんです!
ちゃんとお礼を云ってください!」

「そもそも、COOがCEOには指一本ふれさせないって約束したんだ!
当たり前だろ!」

キレた朋香に逆ギレする尚一郎に、さらにヒートアップしていく。

「子供ですか!?
私より十も年上の癖して!
ちゃんとお礼を云ってください!
じゃないともう、口きいてあげませんから!」
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