契約書は婚姻届
「……はい」

さらにいい子いい子とあたまを撫でられるとやはりむっとはしたが、疲れている様子の尚一郎に早く休んで欲しいのもある。
いまは、おとなしくしておくことにした。


こちらでもやはり、運転手付きの車での移動だった。
まだレストランは開いてない時間だということで、適当な店で食事をして帰る。

「ここに滞在してるんだよ」

そう云って連れてこられたのは、ホテル。

しかも、いかにも高級な。

さらには長期の仕事なのにスイート滞在と朋香の理解を完全に越えていたが、そんなものなのだと納得しておくことにした。

「先に風呂に入っておいで」

「はい」

尚恭の用意した荷物がすでに運び込まれていた。
その中から着替えを出してバスルームに向かう。
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