契約書は婚姻届
「ひぃっ。
云うから!
云うから、怒らないで!
……最高級ラブドール、だよ」

「もう二度と、怒らせるようなことはしないって約束しましたよね!」

「ひぃっ」

朋香の怒鳴り声に、尚一郎はがたがたと震えている。
そんな姿に、はぁっと朋香の口から小さくため息が漏れた。

「理由は聞かなくてもだいたい想像できますが。
ああいう人は相手にしないのが一番だって云いましたよね?
どうして挑発するようなことするんですか」

「だって、僕の大事な朋香を傷つけたんだよ?
それなりに仕返ししなきゃ気が済まない」

こわごわと朋香の手を掴んだ尚一郎の手はかたかたと細かく震えていた。
そのままそっと抱き寄せられたかと思ったら、痛いくらいに抱きしめられた。

「ごめん、朋香。
守れなくて。
本当にごめんね」
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