契約書は婚姻届
「ありがとうございます。
私もドイツ語、少しです」

会うまでは緊張していたがあっという間に打ち解け、なんだかおかしくなってきて、カーテとふたりでくすくすと笑ってしまった。



食事に行くからと待っていた車に案内されたが、メルセデスのリムジンでくらくらした。

「……尚一郎さん。
お義母さんってなにされてる人なんですか?」

「ん?
ホテルの経営だけど。
いま僕たちが滞在してるホテルもだし、世界各地にいろいろと。
最近は古城ビジネスにも手を出してるみたいだけど」

そっと袖を引いて聞いてきた朋香に、尚一郎が苦笑いを浮かべる。

「……そうなんですね」

女性でもバリバリ働いているカーテが眩しく思えた。
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