契約書は婚姻届
なんだかおかしくて、ずっと尚一郎とくすくす笑っていた。

礼拝堂でふたりきりの挙式。
神聖な雰囲気に背筋が伸び、城主の訓示にじわじわと気分は高まっていく。

……これで尚一郎さんの妻になるんだ。

いままで、自覚がなかったわけじゃない。
尚一郎の妻としてやっていくんだという覚悟はいつの間にか持っていた。
けれど、改めてこういう形で永遠の愛を誓うと、より強い覚悟が決まった。

一生、尚一郎と一緒にいる。
絶対にひとりになんてしない。
どんな困難だって打ち勝ってみせる。

指環の交換でなぜか、いままでとは違うものをはめられた。
見上げると黙って頷く尚一郎に、きっとこれでいいのだと納得した。

「朋香を一生、愛してる」

そっと重なる誓いの口付けに胸がいっぱいになって溢れ、涙になって落ちていく。
目を開けると尚一郎の手が涙を拭い、嬉しくて笑いかけると視線のあった尚一郎も笑ってくれた。
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