契約書は婚姻届
「……あった」

華やかにリボンを結ばれたそれに、ふたりで顔を見合わせてしまう。

挟まれていたメッセージカードを開いた瞬間、尚一郎はグシャグシャに丸めて投げ捨ててしまった。

「だから!
僕は甲斐性なしじゃないって!」

顔を炎のように赤く染めて尚一郎は怒っているが、いったいなにが書いてあったんだろうか。

押しつけるように差し出された箱に、戸惑いながらリボンをほどいていく。

「これ……」

「なに?」

昨日の夕食に飲んだ赤ワインのようになって黙ってしまった朋香に、尚一郎が箱の中を覗いてくる。

「侑岐もたまには、気の利いたものを贈ってくるね」

「えっ、あっ」
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