契約書は婚姻届
それほど深く深く、尚一郎を愛しているのだと自覚した。

「僕もとても、幸せだよ」

うっとりと朋香の涙を拭うと、尚一郎の唇が重なった。
そのまま、熱い波にさらわれていく。

きっと、今夜のことは一生忘れない。

そう朋香は思っていた。



ちゅっ、ちゅっ、けだるい身体で、瞼に、頬に、額に、尚一郎の口付けを受け続けているのはたまらなく気持ちいい。

「そういえば。
私と以前、会ったことがあるんだって云ってましたよね?
それっていつの話ですか?」

前は恥ずかしいからと誤魔化されてしまったが、いまなら聞いても話してくれそうな雰囲気。

「あー、……聞きたいかい?」

「はい」

照れたように笑うと、ちゅっと額に口付けを尚一郎は落としてくる。
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