契約書は婚姻届
「えっと。
Can you understand Japanese?」

「わかるよ。
僕は半分、日本人だからね」

「よかった」

日本語の尚一郎ににっこりと笑った少女に、……一瞬胸が、ドキンと鳴った。

「まず君。
前も見ないで走って人にぶつかったんだから、まずはごめんなさいでしょう?
あと、日本語話せはないよね。
外国人だからって変な云いがかりをつけちゃダメ」

「……はい。
ごめんなさい」

素直に謝った少年に満足げに頷くと、少女は尚一郎の方へ向き直った。

「それからあなた。
携帯に集中してて周囲を見てなかったのはあなたも同じです。
それに、大人から怒鳴られるだけでも怖いのに、それが知らない言葉だったらなおさら怖いですよ」
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