契約書は婚姻届
羽山は尚一郎が個人的に雇っている弁護士で、会社は別なのだと以前云っていった。
なのに、オシベの弁護士として電話してくるとはどういうことなのだろうか。

「はい。
……はい。
……それは……はい、わかりました。
ありがとうございます。
……はい、それでは」

「今度はオシベ、なにを云ってきたんですか!?」

電話が終わると同時にぐいっと顔を近づけた西井に、明夫の背中が少しのけぞった。

「一連の説明と謝罪にお伺いしたい、とのことだ……」

「はぁっ!?」

西井は怒っているが、当たり前だ。
あれほど被害者面していたのに、手のひらを返したように謝罪などと。

「オシベ、なに考えてるんですかね!?
また、うちをはめようとしてるんじゃ!?」

「あの」
< 497 / 541 >

この作品をシェア

pagetop