契約書は婚姻届
座敷を出る朋香たちと入れ違いに数人が入ってくる。
振り返ると、介抱される老爺が見えてほっとした。
尚一郎は黙ったまま、朋香の手を掴んで進んでいく。
入ったときと同じ場所から出ると、すでに車が回してあった。
朋香と尚一郎が乗ると、高橋は黙って車を出した。
尚一郎は無言で窓の外を見ている。
「あのー、尚一郎さん?」
「……なに?」
振り返った尚一郎は不機嫌で、先程の冷たい姿が思い出されて、思わず朋香の背中がびくりと震える。
「その、……お祖父さんは大丈夫なんですか?」
おそるおそる窺うと、眼鏡の向こうの目が大きく一回、珍しいものでも見るかのようにぱちくりと瞬きした。
「朋香は自分を侮辱した人間を心配するのかい?」
「確かに腹は立ちましたけど、倒れたりしたら普通、心配しますよね?」
「優しいね、朋香は!」
次の瞬間、ぎゅーっと痛いくらいに抱きしめられた上に、ちゅっ、ちゅっと何度もキスされた。
振り返ると、介抱される老爺が見えてほっとした。
尚一郎は黙ったまま、朋香の手を掴んで進んでいく。
入ったときと同じ場所から出ると、すでに車が回してあった。
朋香と尚一郎が乗ると、高橋は黙って車を出した。
尚一郎は無言で窓の外を見ている。
「あのー、尚一郎さん?」
「……なに?」
振り返った尚一郎は不機嫌で、先程の冷たい姿が思い出されて、思わず朋香の背中がびくりと震える。
「その、……お祖父さんは大丈夫なんですか?」
おそるおそる窺うと、眼鏡の向こうの目が大きく一回、珍しいものでも見るかのようにぱちくりと瞬きした。
「朋香は自分を侮辱した人間を心配するのかい?」
「確かに腹は立ちましたけど、倒れたりしたら普通、心配しますよね?」
「優しいね、朋香は!」
次の瞬間、ぎゅーっと痛いくらいに抱きしめられた上に、ちゅっ、ちゅっと何度もキスされた。