契約書は婚姻届
「そうかい?」

頷くと、尚一郎はくつくつとおかしそうに笑っている。

「僕だってサービスエリアくらい利用するよ。
ひとりで取引先を回っていた頃はコンビニだって利用してたし」

「……そうなんですね」

尚一郎とコンビニの組み合わせが想像できない。
缶コーヒーを飲む尚一郎を思い浮かべると似合わなさすぎて、思わず笑いそうになって顔を引き締めた。


土曜とあって人が多い。

金髪というだけでも目立つのに、長身でイケメン、さらにはスーツでセレブオーラが隠せるどころか拡散されている尚一郎に視線が集まった。

……なんでみんな、あんなに見てるんだろう。
尚一郎さんは動物園のパンダじゃないって。

物珍しそうな視線に腹が立つ。
けれど当の尚一郎は涼しい顔で、全然気にしている様子はない。
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