【長編】戦(イクサ)林羅山篇
原城の攻防
 寛永十五年(一六三八年)
 反乱軍が籠城した原城は三方が
海に面した崖で陸からは攻めにく
い。しかし板倉重昌は松平信網が
加勢にやって来ることを知り、こ
れ以上てこずるとキリシタンを擁
護していると疑われ処罰されるの
ではないかと恐れて城攻めを決行
した。それほど幕府はキリシタン
に対して徹底した排除を行ってい
た。
 反乱軍は重昌の部隊が攻撃して
くると鉄砲や弓矢で応戦し、城に
近づく将兵には熱湯や大石で応戦
した。
 後には引けない重昌は城に突っ
込み討ち死にして敗北した。
 この勝利に反乱軍は益田四郎の
もとに結束を強めた。しかしほど
なく加勢にやって来た松平信網、
戸田氏鉄の幕府軍は十二万人の大
軍と大砲を装備していた。また幕
府はオランダにも軍船の派遣を依
頼し海からの攻撃も開始された。
 オランダは宗教よりも日本との
交易を優先し、ポルトガルを日本
から排除することで交易の独占を
狙っていた。
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