大剣のエーテル

ウーッ!ウーッ!ウーッ!


その場にいた全員が、はっ!とした。

ロルフは「何だ?」と他人事のようにきょろきょろと辺りを見回す。

ルタが迷惑そうに呟いた。


「“どっかの馬鹿”が辺り構わず炎を出すから、火災報知器でも鳴ったんじゃないの。」


「俺のせいかよ!」


ルタの言葉に眉を寄せるロルフ。

しかし、本部内に響いた放送は、私たちの予想をはるかに上回るものだった。


『緊急連絡、緊急連絡!東の警備塔に侵入者発見!なお、奴は“爆弾”を所持している模様!』


(え?!)


ロルフとは別の事件が発生したようだ。

“爆弾”という言葉を聞いて、私の脳裏に駅のポスターが浮かぶ。


“wanted 爆弾魔 逃走中!”


(まさか、街で指名手配されていた爆弾魔が本部に侵入したの?!)


状況を察したイヴァンさんは、顔をしかめながら低く呟いた。


「まさか爆弾魔は、ロルフが本部を荒らしたせいで警備が手薄になっている今を見計らって、この建物ごと爆破するつもりなのか?」


「また俺のせいかよ!」


< 148 / 369 >

この作品をシェア

pagetop