大剣のエーテル

その時、ハロルドさんが慌てたように駆け出した。


「ま、まずいッス!!と、とりあえず自分は東の塔に応援に向かうんで、失礼するッス!」


ばびゅん、と風のように去っていくハロルドさんの背中を見つめる。

もはや、ロルフの捜索どころではないようだ。

イヴァンさんが、注意深く辺りを見回しながら指示を出す。


「俺たちも、さっさと本部からズラかるぞ。爆弾魔事件に巻き込まれたら面倒だ。」


(確かに、ロルフと合流する目的は達成したもんね…!)


彼の言葉に頷き、廊下を駆け出そうとした

その時だった。


ビーッ、ビーッ、ビーッ!


先ほどとは違うサイレンが鳴り響いた。

緊迫した様子の放送が耳に届く。


『本部内の隊員たちに告ぐ!これより爆弾魔を確保するため、本部内の逃走防止シャッターを下ろす!隊員はシャッターが降り切る前に東の塔に向かうこと!』


(え…?)


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