大剣のエーテル

そんな彼らに「まあまあ、そんな怒らないでよ。」と、苦笑を浮かべたランバートは、私を優しく地面に下ろした。

私を守ってくれた彼の外套には、たくさんのガラスの破片が付いている。


(…!)


彼を見上げたその時、はっ!とした。


「ランバート、傷が…!」


「ん?」


ランバートの頬にそっと触れると、彼は少し驚いたように肩を震わせる。

彼のきめ細かい綺麗な肌に、小さな傷が出来ていた。

どうやら、ガラスで切ったらしい。

ランバートは、今気づいたように頬を撫で、指先についた血を眺めている。


「ありゃ。これ、俺の血か。」


「ごめんなさい…痛かった…?」


「んーん。こんなの、かすり傷だよ。ノアちゃんが無傷なら問題ないし。」


にこりと笑う彼は、そっ、と私の頬に触れる。


「ノアちゃんは怪我してないよね?俺が体の隅々まで確認してあげよっか?」


「っ!…変態発言はやめて。」


かっこいいと見直した途端コレだ。

ランバートは冗談なのか本気なのかわからない言葉を平気で口にする。


(本当にこの人は読めない…。)


私がじとっ、とした視線をランバートに向けた

次の瞬間だった。

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