大剣のエーテル

その時、ババ様が私に叫ぶ。


「ノア。あんた、ついて行くつもりじゃなかろうな?!私はランバートからあんたを預かってる。行ってはダメじゃ!」


私は、ババ様の方をゆっくりと向く。

心から心配しているような表情にずきり、と心が痛むが、そんなババ様を不安そうに見つめている子どもたちを見た瞬間、私の中から迷いが消えた。


「私は大丈夫です。フォーゼルも、私をどうにかするつもりではないみたいだし。すぐに帰って来ます。」


「っ!ノア…」


私は、ふわり、とババ様に毛布を手渡した。

温もりが伝わり、私を引き止めようとしたババ様の声が途切れる。


「すぐに帰って来ますから。そしたら、ガールズトークしましょうね!」


「!」


ババ様が目を見開いた瞬間。

私の体は、フォーゼルとともに教会から消えたのだった。

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