大剣のエーテル
「───やっと見つけた。」
(!!)
聞き覚えのある低い声が聞こえた。
ばっ!と振り返ると、そこに現れたのは赤いマントを羽織った青年。
フードを目深に被り、そこから覗くのは瑠璃色の瞳。
「!あんた、一体どこから…!!」
ババ様が目を見開いて無意識に呟く。
私は、この場に現れた彼の名を口にした。
「…フォーゼル。」
すると、青年は私をまっすぐ見つめて言葉を続ける。
「俺は、ずっとあんたを探していた。」
「!!」
どくん、と胸が鳴る。
心が騒めくが、今、隣にランバートはいない。
守ってくれたエーテル達は、誰一人として側にいない。
「ノア、知り合いか…?」
そう、ババ様に尋ねられ、私は彼から目を逸らさず答える。
「はい。この人はフォーゼル。一派の最年少幹部です。」
「っ、なんじゃと…!!」
私の言葉に動揺を隠せないババ様は、子どもたちを庇うようにフォーゼルへと敵意に満ちた視線を向けた。
身構えていると、フォーゼルはちらり、とババ様達へ視線を向け、そして再び私に声をかける。
「あんたが俺と一緒に来てくれるなら、他の奴には手を出さない。…話がしたいだけなんだ。ここじゃあ落ち着かないだろ。」
(話…?まさか、私の魔力についてのことを…?)