大剣のエーテル
俺の態度に何かを察したようなエーテルの団長は、翡翠の瞳を微かに細めた。
「…まさか、俺たちは大きな“誤解”をしていたのか…?」
無意識に出たようなその呟きに、カイがにやり、と微笑んだ。
カイは表情を変えずにさらり、と答える。
「“この島にあったのは4、50の影を作るのがやっとの量の幻夢石だけだった”というのが真実です。一派の集めた幻夢石は、別の場所に隠されています。」
「「「!!」」」
エーテル達の顔が強張った。
(そうだ。ここは、完全な形をしていない不良品の幻夢石を置く、いわば“ゴミ捨て場”。エーテルの求めていた一派の幻夢石なんて元からないんだよ。)
自分たちが罠にはめられたことにようやく気付いた様子のエーテル共は、何も言えないように立ち尽くしていた。
カイは静かに続ける。
「“石を砕いた瞬間、俺たちは勝つ”。…確かに、ランバートさんのおっしゃった通りです。幻夢石の本当の在り処を攻撃されてたら一派に勝ち目はありませんでした。」
「…!」