大剣のエーテル


(…“護衛の役目”…?まさかランバートは、すべてを見越して私に付いてきてくれたの…?)


私が目を見開いた時、ランバートが大男に向かって構えるような姿勢をとった。


(…っ?!)


「え、ちょっと、嘘…っ?!まさか、素手で戦うつもり?!ば、馬鹿なの?!ランバートは、攻撃魔法が使えないんでしょう?!」


私は驚きのあまり、恐怖で震えていたことなど忘れて彼に詰め寄った。


(寝ぼけてふにゃふにゃ笑っている天然わんこみたいなランバートに、戦闘が出来るなんて思えない…!)


すると、私の言葉を聞いた大男が、ニィ、と不気味に笑って口を開く。


「ふん、面白い…!カッコつけたがりは早死にするのが決まりってもんだ。…一撃で仕留めてやるよ…!」


と、次の瞬間。

大男が勢いよく足を踏み出し、ランバートとの間合いを詰めた。

大剣が風を切り、ランバートへ振り下ろされる。


「…っと!」


ランバートはそれをひらりとかわすと、真っ二つになったソファを足場にして軽やかに動き始めた。

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