この愛、スイーツ以上
もっと副社長を知れたらいいなと思っていたけど、まさかこんなところで知ることが出来るとは思いがけなくて驚きだ。

姉たちと同級生ということは副社長の年齢は31才になる。落ち着いているからもう少し上に見えてはいたけれど。

しかし、近寄りがたいとは今の副社長と変わらない。昔から持たれるイメージは変わっていないようだ。


「そうだな。学校の子とは付き合っていなかったはずだよ」

「学校じゃないとなると、他の学校の子と付き合っていたということ?」

「うん。幼なじみと付き合っているという話を聞いたことはある。今はどうなんだろう。由梨ちゃん、東郷は結婚してる?」

「詳しくは知らないけど、多分していないかと」


そこで姉が嬉しそうな顔をしてパンパンと私の背中を叩く。鏡越しに「痛い」と私は姉を睨んだ。

いきなり叩くなんてひどい。


「麻里、チャンスよ!」

「何が?」

「東郷くんの嫁になれるようがんばりなよ。なれたら玉の輿よ。それに東郷くんと由梨の子供だったらきっとかわいい子になるわよ」

「はあ?」
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