この愛、スイーツ以上
突拍子もないことを言う姉に私は心底呆れた。透さんも無茶なことを言っていると苦笑していた。

きっともう話すことさえもないと思う人の嫁になるなんて無理があり過ぎる。いずれ社長になる人の嫁だなんてあり得ない。

だいたいその幼なじみとまだ結婚していなくても付き合いは続いているかもしれないのに。

無謀な姉の願望は聞き流すに限る、

そう、聞き流すに限ると思っていたが、翌日の辞令は聞き流すことが出来なかった。


翌日、出勤して一時間が経過した頃、課長に呼ばれた。重要な話が部長からあるからミーティングルームに行くように言われ、課長と共に向かう。

何かとんでもないミスをしてしまったのだろうかと不安になりながらミーティングルームのドアを開けた。

そこには総務部長だけでなく人事部長もいて、何事だろうかと不安と緊張で背筋が伸びる。

もしやミスをしたせいでどこかに別の部署に飛ばされるとか……身に覚えがないけど、嫌な予感しかしなくて冷や汗が出そうになる。


「吉川由梨さんだね。そこ、座って」

「はい……」
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