この愛、スイーツ以上
翌日、井村さんが我が家まで迎えに来てくれた。突然現れた礼儀正しい男性に母は恐縮して深々とお辞儀をしていた。
そして、手土産まで渡そうとするからそれは私が受け取った。私から副社長宅で渡さなければ意味がない。
副社長は家で待っているという。
「コロ、お利口さんにしてね」
副社長からコロも連れてきてと言われて、昨夜きれいに洗ってあげた。キャリーの窓から初めて乗る車の匂いを嗅いで様子をうかがっている。
コロの顔も心なしか緊張しているように見える。私ももちろん緊張していて、まずは挨拶からと言葉を何度も頭の中で何度もリピートさせていた。
「吉川さん、あと少しで着きます」
「はい! ありがとうございます」
背筋を伸ばして、窓の外を見た。閑静な住宅街の中を走っているが、見えてくる家の大きさに圧倒され、キョロキョロと落ち着きなく目を動かしていた。
別世界に入り込んでしまった気分だ。
井村さんがゆっくりと左折するとその先に灰色の門があって、そこが開かれた。さらにスピードを落として車を進ませ、洋館と呼ぶのに相応しい家の前で止まる。
車が止まると同時に玄関の白いドアが開いた。
そして、手土産まで渡そうとするからそれは私が受け取った。私から副社長宅で渡さなければ意味がない。
副社長は家で待っているという。
「コロ、お利口さんにしてね」
副社長からコロも連れてきてと言われて、昨夜きれいに洗ってあげた。キャリーの窓から初めて乗る車の匂いを嗅いで様子をうかがっている。
コロの顔も心なしか緊張しているように見える。私ももちろん緊張していて、まずは挨拶からと言葉を何度も頭の中で何度もリピートさせていた。
「吉川さん、あと少しで着きます」
「はい! ありがとうございます」
背筋を伸ばして、窓の外を見た。閑静な住宅街の中を走っているが、見えてくる家の大きさに圧倒され、キョロキョロと落ち着きなく目を動かしていた。
別世界に入り込んでしまった気分だ。
井村さんがゆっくりと左折するとその先に灰色の門があって、そこが開かれた。さらにスピードを落として車を進ませ、洋館と呼ぶのに相応しい家の前で止まる。
車が止まると同時に玄関の白いドアが開いた。