この愛、スイーツ以上
「紫乃ちゃん、こんにちは」
紫乃ちゃんは差し出した私の手を舐める。それがくすぐったくて、強張っていた顔が緩む。
その後、紫乃ちゃんはキャリーバッグに近付いた。中にいるコロもバッグの窓ギリギリに顔を近付けていた。
「由梨、いらっしゃい」
「副社長! おじゃましています。今日はお世話になります」
「うん。あ、コロ、出してあげるね。紫乃と遊んでね」
副社長は私からキャリーバッグを取り上げて、コロを出す。副社長宅の床に足をつけたコロは数秒固まっていたが、紫乃ちゃんが顔を近付けてきたので尻尾を揺らす。
それから先に走り出した紫乃ちゃんの後を追い、コロも走り出した。
二匹はどこかの部屋に行ったのかあっという間に姿を消した。
「コロ、勝手に行ってしまったのですが」
「大丈夫だよ。多分紫乃の部屋に行ったんだと思うから」
「こんにちは。いらっしゃい」
上から聞こえた声に階段を見上げると、光沢のあるグレーのワンピースを着た女性が階段を降りてきた。
社長夫人だ!
社長と一緒に写っている社内報で顔は確認していたのですぐ分かった。
紫乃ちゃんは差し出した私の手を舐める。それがくすぐったくて、強張っていた顔が緩む。
その後、紫乃ちゃんはキャリーバッグに近付いた。中にいるコロもバッグの窓ギリギリに顔を近付けていた。
「由梨、いらっしゃい」
「副社長! おじゃましています。今日はお世話になります」
「うん。あ、コロ、出してあげるね。紫乃と遊んでね」
副社長は私からキャリーバッグを取り上げて、コロを出す。副社長宅の床に足をつけたコロは数秒固まっていたが、紫乃ちゃんが顔を近付けてきたので尻尾を揺らす。
それから先に走り出した紫乃ちゃんの後を追い、コロも走り出した。
二匹はどこかの部屋に行ったのかあっという間に姿を消した。
「コロ、勝手に行ってしまったのですが」
「大丈夫だよ。多分紫乃の部屋に行ったんだと思うから」
「こんにちは。いらっしゃい」
上から聞こえた声に階段を見上げると、光沢のあるグレーのワンピースを着た女性が階段を降りてきた。
社長夫人だ!
社長と一緒に写っている社内報で顔は確認していたのですぐ分かった。