この愛、スイーツ以上
それから私の方を向く。


「由梨、なにか誤解していない？ 俺と藍華は幼なじみだけであって、男と女として付き合ったことはないよ」

「でも、藍華さんが元カノだと言っていましたけど」


副社長は大きなため息をついて、ソファに深く腰掛けた。なぜか体の力が抜けたようだ。

なにかおかしなことを言っただろうか。元カノだと言ったのは藍華さんだし、脱力させるようなことは言っていない。


「藍華はおもしろがって嘘をついたんだよ。全く……余計な心配をさせちゃってごめんね」

「ええ！ 嘘なんですか？」

「まあ、藍華ちゃんは相変わらすいたずら好きね」


副社長は苦笑するが、真由美さんは楽しそうに笑う。

いたずら好き？

つまり、私は騙されたということ？

でも透さんの友達も言っていたらしいけど……そっちはただの噂だったのかな。

とにかく副社長が違うというなら違うというのが正解なんだろう。

母親である真由美さんが恋人だったことを知らないのも納得できる。恋人ではなかったのなら。


「奥さま、ゆかりさんが来られましたよ」
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