この愛、スイーツ以上

だから、この状況も見られていて「きゃあ！」と小さい声だけど……私の耳にはしっかりと届いていた。

副社長の耳に届いているかは不明だけど、彼は私が口を開けるのを待っている。

観念して開けるとひんやりとしたプリンが放り込まれた。

プリンの甘さ、生クリームの甘さ、チョコの甘さといろんな甘さが混ざってものすごく甘くなるかと思っていたけど、よい感じに調和されていた。


「美味しい」

「だろ？ もう一口食べる？ ブドウもあるよ」


プリンの周囲にある生クリームの上にはブドウがあった。皮ごと食べれて美味しそうだけど、また口を開けることに躊躇う。


「これだけで十分です。ありがとうございます。ご自分でどうぞ食べてください」

「お待たせしました。こちらフレンチトーストになります」


タイミングよく運ばれてきたフレンチトーストにもブドウが添えられていた。

「ここにもあるので」と彼の厚意を後ろめたくならない思いで断ることができ、ホッとして私はまずブドウを食べる。


「やっぱり由梨はブドウから食べるんだね」