この愛、スイーツ以上
副社長が自ら挨拶に向かった先にはホテル社長と当社の社長がいた。そこにはもちろん真由美さんもいる。
「高畠社長、創立記念日おめでとうございます」
「おお、涼太くん。相変わらず男前だね」
「涼太さん、お久しぶりね。そちらの女性の方は? いつもの方とは違うわよね?」
高畠社長夫人の目は副社長の隣に立つ私にすぐ向けられた。副社長の腕に置いていた手を離して、両手を腹部辺りで重ねて軽く会釈する。
「藍華さんは結婚されたから、さすがに連れ出すわけにはいかないとなったんですよ」
副社長ではなく東郷社長が返事をする。
「そうなんですよ。こちらの方は涼太のところで働いてくれている吉川さんです」
「はじめまして、吉川と申します」
真由美さんから紹介されて、私はお辞儀した。
「もしかして将来を約束されている方?」
今まで名乗ってもそこまで聞いてくる人は誰もいなかったから、鋭い質問にギクッとして、思わず副社長を見る。
私の視線に気付いた彼はこちらを見て、小さく頷く。
きっと当たり障りのない返事をしてくれると期待したのだが……見事裏切られた。
「高畠社長、創立記念日おめでとうございます」
「おお、涼太くん。相変わらず男前だね」
「涼太さん、お久しぶりね。そちらの女性の方は? いつもの方とは違うわよね?」
高畠社長夫人の目は副社長の隣に立つ私にすぐ向けられた。副社長の腕に置いていた手を離して、両手を腹部辺りで重ねて軽く会釈する。
「藍華さんは結婚されたから、さすがに連れ出すわけにはいかないとなったんですよ」
副社長ではなく東郷社長が返事をする。
「そうなんですよ。こちらの方は涼太のところで働いてくれている吉川さんです」
「はじめまして、吉川と申します」
真由美さんから紹介されて、私はお辞儀した。
「もしかして将来を約束されている方?」
今まで名乗ってもそこまで聞いてくる人は誰もいなかったから、鋭い質問にギクッとして、思わず副社長を見る。
私の視線に気付いた彼はこちらを見て、小さく頷く。
きっと当たり障りのない返事をしてくれると期待したのだが……見事裏切られた。