この愛、スイーツ以上
彼は隣に立ってはいるものの、20センチほど間を開けていた私に寄ってきたかと思えば腰に手を添える。
そんなことをされるのが初めてで、体が固くして何事かと顔を見上げた。彼は私の視線に気付いているはずなのにこちらを見ないで、高畠社長夫人に微笑む。
その微笑みはなに?
と思うと同時に副社長の口から出た言葉に青ざめた。
「さすが高畠さん、鋭いですね。まだ約束はしていませんが、私の妻にしたいと考えている人です」
ええっ!
今なんとおっしゃいました?
「まあ!」と高畠社長夫人。
「おおっ! それは、それは!」と高畠社長。
「本当なのか?」と東郷社長。
「あら、あらー」と真由美さん。
「まったく……」と安田さん。
様々な声が飛び交う中、私は何も言えずに口をただ魚のようにパクパクしていた。言いたいことはあるけど、言葉にならない。
『妻にしたい』というのは副社長の願望であって『妻にする』と決定したものではないけど、安田さん以外は誤解をしているのが感じ取れる。
だがしかし、この場で誤解しないでくださいと言えるだろうか?
言えない。
そんなことをされるのが初めてで、体が固くして何事かと顔を見上げた。彼は私の視線に気付いているはずなのにこちらを見ないで、高畠社長夫人に微笑む。
その微笑みはなに?
と思うと同時に副社長の口から出た言葉に青ざめた。
「さすが高畠さん、鋭いですね。まだ約束はしていませんが、私の妻にしたいと考えている人です」
ええっ!
今なんとおっしゃいました?
「まあ!」と高畠社長夫人。
「おおっ! それは、それは!」と高畠社長。
「本当なのか?」と東郷社長。
「あら、あらー」と真由美さん。
「まったく……」と安田さん。
様々な声が飛び交う中、私は何も言えずに口をただ魚のようにパクパクしていた。言いたいことはあるけど、言葉にならない。
『妻にしたい』というのは副社長の願望であって『妻にする』と決定したものではないけど、安田さん以外は誤解をしているのが感じ取れる。
だがしかし、この場で誤解しないでくださいと言えるだろうか?
言えない。