この愛、スイーツ以上
しかし、姉の決意は固かった。
姉の学年で大学受験をしなかったのは、姉の他に透さんだけしかいなかった。
透さんは親の経営している美容院を継ぐつもりはなく、親も自分の好きな道へと進んでくれたらいいと言っていたのだが、突然父親が事故で亡くなって美容院を守りたくなったそうだ。
進路を変えるというのは珍しい話ではないが、二人は偶然にも同じ専門学校に行き、出会って結婚もした。透さんにしてみたら、運命的な偶然だったらしいが。
「お姉ちゃんは、美容師ではなくてなりたかったものがあるんだよね? 美容師になって後悔していないの?」
「唐突な質問ね。中学生の時は法律関係の職業に就きたいと思っていたけど、由梨や友達の髪をいじっていたら美容師になりたいと思ったのよね。由梨の髪を直すことがなかったら、美容師にはならなかっただろうけど、なったことに全然後悔はしていないよ。それよりも気付かせてくれた由梨に感謝しているんだからね」
「そうか、そうならよかった。私はあの時のお姉ちゃんに感謝している。あの時、お姉ちゃんがかわいい髪型にしてくれたから堂々と学校に行けるようになったんだもの」
姉の学年で大学受験をしなかったのは、姉の他に透さんだけしかいなかった。
透さんは親の経営している美容院を継ぐつもりはなく、親も自分の好きな道へと進んでくれたらいいと言っていたのだが、突然父親が事故で亡くなって美容院を守りたくなったそうだ。
進路を変えるというのは珍しい話ではないが、二人は偶然にも同じ専門学校に行き、出会って結婚もした。透さんにしてみたら、運命的な偶然だったらしいが。
「お姉ちゃんは、美容師ではなくてなりたかったものがあるんだよね? 美容師になって後悔していないの?」
「唐突な質問ね。中学生の時は法律関係の職業に就きたいと思っていたけど、由梨や友達の髪をいじっていたら美容師になりたいと思ったのよね。由梨の髪を直すことがなかったら、美容師にはならなかっただろうけど、なったことに全然後悔はしていないよ。それよりも気付かせてくれた由梨に感謝しているんだからね」
「そうか、そうならよかった。私はあの時のお姉ちゃんに感謝している。あの時、お姉ちゃんがかわいい髪型にしてくれたから堂々と学校に行けるようになったんだもの」