この愛、スイーツ以上
私との距離を縮めた副社長に、いつの間にか戻ってきた紫乃ちゃんが後ろから飛び付いて来た。

コロも同じように戻ってきて、私の足元で息を荒くしている。


「紫乃ちゃんもコロも喉が渇いているみたいですね。水飲み場が確かあっちの方にあったかと」

「せっかくだから、カフェに行こう」

「あ、はい」


二匹が戻ってくるまでの話が中断されたことに安心して、端にあるカフェに入る。

カフェのメニューには人間用の軽食と犬用のおやつが書かれていた。

私は自分用にホットココア、コロ用にクッキーをオーダーした。紫乃ちゃんも同じクッキーにしていたが、副社長は意外にもパンケーキを頼んでいた。

ふっくらした二段のパンケーキには生クリームとバナナが添えられていて、好みでメープルシロップをかけるようになっている。

あまりにも美味しそうなパンケーキに私だけでなく二匹も釘付けになっていた。


「紫乃とコロはダメだよ。こっちのクッキー食べて。由梨は甘いの好き?」

「はい。それ美味しそうですね。私も今から頼もうかな……んー、でも、どうしよう」

「食べたいならあげるよ。ほら、口開けて」
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