この愛、スイーツ以上
最近ちょっとお腹回りが気になっているから、甘いものを絶っていた。だから、迷ってしまったけど……

ええっ!

口を開ける?

副社長は一口サイズにカットしたパンケーキに生クリームをのせて、それを私の顔の前に持ってきた。

これを食べろと?

美味しそうだけど、食べたいけど、副社長からもらって食べるのは、無理。

なんとなく周りの視線も感じるし、何よりも恥ずかしい。


「ほら、早く開けないと落ちるよ」

「いえ、でも、あの」

「はい、あーん」


口に触れられた甘い生クリームの誘惑に負けてしまい、意を決して開けると口の中に放り込まれる。

見た目通りのふわふわした食感に顔が緩む。


「美味しい……」

「良かった。俺も食べよう」


副社長は同じようにカットして、今度は自分の口に入れる。


「うん、美味しいね。由梨、バナナもあげるよ。はい」


一度もらってしまったから、二度目は躊躇うことなくすぐに口を開けた。バナナにも生クリームをつけてくれたから、口の中に甘さが広がる。

恥ずかしかったことを忘れてしまいそうになっていたが、副社長の言葉で恥ずかしさが戻った。


「由梨、かわいい」
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