この愛、スイーツ以上
副社長は私の話を途中まで聞いて、大笑いした。

まさかそんな大きな口を開けて笑うとはこれまた新発見な一面で……って、そこに感心してる場合ではない。

なぜここで笑う?

おもしろいことを言った覚えはないのだけれど、何が副社長の笑いのツボにはまったのだろうか。


「いくらなんでも紫乃に似ていても犬とは思わないよ。由梨は変なこと言うね。でも、俺がこの世で一番かわいいと思う紫乃と同じくらい由梨はかわいいよ」

「そ、そうですか。それはありがとうございます」


クッキーを食べ終えたコロが足元に来たので、膝の上に抱き上げた。コロを盾にして顔を隠す。

この世で一番かわいいというのは、本気なのかと疑いの目を向けてしまいそうになったが、真っ直ぐ見つめる瞳に偽りが感じられなくて、恥ずかしさがただただ増した。


「由梨とコロが並ぶのもまたかわいいね」


隠しては見たものの、副社長の様子が気になってコロの横から顔出すと、スマホを向けられた。また写真を撮るらしい。

そんなに写真好きだったとはこれまた意外だけど、「はい、笑ってー」と言われ、つい満面な笑みを向けた。
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