この愛、スイーツ以上
「君……えっと、名前は吉川なにさん?」
「吉川由梨(ゆり)です」
「そう。それ、片付けておいて。安田さん、会議行こう」
「はい! しっかり片付けます!」
やっとここから解放されると思うと嬉しくなり、私は満面な笑顔を副社長に向けた。
すると、彼はなぜか目を丸くさせて、私に近付いてきた。そして、顎に手を当ててくいっと上に向かせる。
な、なに?
ち、近いよ!
身長180センチ近いと思われる長身な副社長を見上げる私の身長は154センチと成人女性の平均よりも低い。
だから、近くで見上げると首が辛い。
それを感じ取ったのか、副社長は体を屈んでさらに顔を近付けてきた。切れ長ではっきりとした二重の瞳に見られて、心臓は大きく跳ねた。
瞳から視線を筋の通った高めの鼻、形の良い唇へと移動させるとその唇が動く。
「紫乃(しの)に似てるな」
「しの……さん?」
誰のことだろう。
安田さんまで近付いてきて、私の顔をじっと見る。見せ物ではありませんが。
「紫乃ちゃんにですか? あー、大きくて丸い瞳が言われてみれば、似てますね」
「うん、よく似てる。かわいいな」
「えっ? か、かわいい?」
「吉川由梨(ゆり)です」
「そう。それ、片付けておいて。安田さん、会議行こう」
「はい! しっかり片付けます!」
やっとここから解放されると思うと嬉しくなり、私は満面な笑顔を副社長に向けた。
すると、彼はなぜか目を丸くさせて、私に近付いてきた。そして、顎に手を当ててくいっと上に向かせる。
な、なに?
ち、近いよ!
身長180センチ近いと思われる長身な副社長を見上げる私の身長は154センチと成人女性の平均よりも低い。
だから、近くで見上げると首が辛い。
それを感じ取ったのか、副社長は体を屈んでさらに顔を近付けてきた。切れ長ではっきりとした二重の瞳に見られて、心臓は大きく跳ねた。
瞳から視線を筋の通った高めの鼻、形の良い唇へと移動させるとその唇が動く。
「紫乃(しの)に似てるな」
「しの……さん?」
誰のことだろう。
安田さんまで近付いてきて、私の顔をじっと見る。見せ物ではありませんが。
「紫乃ちゃんにですか? あー、大きくて丸い瞳が言われてみれば、似てますね」
「うん、よく似てる。かわいいな」
「えっ? か、かわいい?」