この愛、スイーツ以上
「あー、それなら絡まるかもね。それより、髪をとかしもしないで出ていくとは女子としてどうなの? そんなんだから彼氏が出来ないのよ。もっと自分を磨きなさいよ」

呆れる姉は躊躇うことなく私の髪をカットしていく。

変なところで切ってしまったから、15センチほど切ったが、毛先をふんわりと巻いてくれたのでいい感じ仕上がった。


「本当は縮毛矯正してワンカールしたいとこだけど、三時間はかかるから今日はそこまでする時間がないわね。土曜か日曜においでよ」

「んー、土曜日は用事があるから日曜日に来るかな。でも、結べば邪魔にはならないからこのままでもいいよ」

「何を言ってるの! ちゃんとやれば手入れも楽になるのよ。また絡まりたくはないでしょ」

「それはそうだけど」


実は長時間美容院にいるのが苦手だ。だから、さっさと終わるカットだけで充分なのだが、何度か姉に押し切られる形で縮毛矯正をしていた。

姉のいうことも分かるのでしぶしぶてはあるが、日曜日に予約を入れた。


「そういえば、トゴタンの今の副社長って、東郷涼太だっけ?」

「東郷涼太って、あの東郷くん?」
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