俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
朝練の疲れか、軽く仮眠を取るつもりが、やたらぐっすりと寝入ってしまい、気がつけばもう外は暗くなっていた。
普段は誰かしらが夕食の時間だと言って迎えにきてくれるのだが、莉依が部屋に来ているときだけは気を使っているのか、けっして声をかけようとはしない。

お前等が思ってるようなことはなにもねぇよ。悔しい気持ちになりながら、心の中で悪態をつく。

妙に部屋の中が静かだと思い、ベッドから起き上がると、莉依までもが机に突っ伏して眠っていた。
手もとに白紙のプリント用紙。やはり莉依にこのレベルの数学の問題は厳しかったか。それならそれで、寝る必要もない気がするが。

「おい、莉依、起き――」

肩を揺らそうと手を伸ばしたとき、彼女の開けっ放しのスクールバッグがふと目についてしまった。
筆記用具を出すときに開けたのだろう、チャックは全開で、中から見慣れない真っ赤ななにかが覗いていた。
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