俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「……ラッピングまでして。どうして渡さなかったんだ?」

俺の問いかけに、莉依は真っ赤な頬をそのままにしゅぅぅんと小さくうなだれる。

「……こんなボロボロの、渡せるわけないでしょ」

俺はふぅ、と嘆息した。臆病だったのは、どうやら俺だけじゃなかったらしい。

――もしもこれをあのとき渡せてもらえていたら。
こんなにもまどろっこしいプロポーズ騒動は起きなかったかもしれない。

もっと早い段階で、俺は莉依に告白して、恋人同士の関係になって――ひょっとしたらあの高校生の夜に、俺は耐え切れず莉依を自分のものにしていたかもしれない。

まぁ、今さらの話だが。

「どうせ捨てるならくれよ」

莉依に奪われたマフラーを、俺は強引に奪い返した。

「あっ……」

呆然とした莉依が俺に手を伸ばすも、マフラーがその手に届く前に、俺は素早く首に巻きつける。

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