俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
もしも仮に、今この場で大河がその質問に答えてくれたとして、その答えが『愛している』とかそういう類のものだったとして。
すぐに男女の関係になる勇気が、今の私にはあるのだろうか?

急に自信がなくなり、怖くなってしまった。
二十年以上ずっと友達でいた私たちが、今さらそういう関係になれるのだろうか。
もしかしたら、これまで築いてきたものが全部壊れてしまうかもしれない。

気がついたら言い訳を探していた。

「でも……今日は……勉強もしなきゃいけないし……そんな急に……」

心の準備が追いつかない。頷く勇気がまだ私の中に育っていない。

思わず目を瞑ってしまった私を、大河はまだ真っ直ぐな瞳で見つめ続けているだろう。
ふっと息の漏れる音がして、そおっと目を開いてみると目の前の大河は微笑んでいた。

「こんなときだけ真面目ぶって。融通の効かないやつ」

ちょっと情けなく笑ったあと。私の頬をツンとつついた。
もう怖いくらい真面目な顔をした大河はどこにも見当たらない。

その微笑みはいつも通り――というよりは、ちょっとだけ甘め。

「仕方ねぇな。珍しくかわいい表情も見せてもらったから、今日はこれで我慢する」

ちょっと不満そうな苦笑いで、大河は私の額に口づける。
その優しさに湧き上がってきのは――罪悪感。
真剣に向き合おうとしてくれた大河に対して、答えをごまかしてしまった。
< 46 / 173 >

この作品をシェア

pagetop