俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「ところで、天宮さん」

珍しく篠原さんが振り返り、私の方を見た。目が合ったのは、最初の自己紹介のとき以来、これで二回目だ。

「天宮さんは、社長のご学友でいらっしゃいますか。経歴書を拝見した際に、同郷のようでしたので」

「あ、はい。小中学校が同じで――」

「天宮さんは、どのようなキャリアプランを考えておいでですか」

「……はい?」

質問の繋がりが見えず笑顔を固まらせると、篠原さんは眼鏡のブリッジを押し上げながら遠慮なく言った。

「私はあなたに、どのような態度を取ればよいですか。社長のご友人としてでしょうか。それとも、一部下として厳しく接するべきでしょうか」

その質問がすぐには咀嚼できず、ポカンとしてしまった。
――つまりは、コネ入社だってことはもうバレバレだから、やる気があるのかないのかはっきりしてくれってこと……?

「……一部下として、接してください」

「わかりました。では、予め言っておきます」

定規で線を引いたみたいに真っ直ぐな姿勢で私に向き直る。

「経歴からして、とてもあなたが第二秘書を努められるとは思いません。本来であれば、下位役所の秘書を経て、経験を積んだ後、社長秘書という大役を任されるべきです。あなたの人事は、料理未経験者にフランス料理のフルコースを作れと言っているようなものです」
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