幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
「どうだった?サッカー部は? 」
「 楽しかったよ。
少しだけボール触らせてもらえた」
「そっか。良かったね! 」
正直、玲音がサッカー部の見学に行くのは意外だった。
一緒にサッカーを習っていた頃、
おっとりしている玲音はボールの奪い合いが苦手で、
あまり楽しんでいるようには見えなかった。
でも、サッカー部には同じクラスの友達もたくさんいるみたいだし、いいのかも!
「サッカー部の試合、観に行くからね!」
そう伝えると、
玲音は大きな黒目を潤ませて
目尻を下げて嬉しそうに笑った。
夕暮れの光を浴びながら
校門脇の桜の木からひらひらと花びらが舞う。
最終下校時間になり、正門に向かう人もまばらだ。
「りりちゃんはどうするの? 」
玲音の前髪が夕陽を反射してオレンジ色に輝いている。
「剣道部にしようかなと思って」
そう言って少し離れた武道場を指差した。
「週一回しかないみたいだから空手も続けられそうだし! 」
それを聞いた玲音が、動きを止めた。
「空手、続けるの? 」
「うん、続けるつもりだよ」
「そっか」
んん?
なんだか玲音の表情がかたい。