chocolate mint
「うん、もう大丈夫。電話も気がつかなくて……心配かけてごめんね。ずいぶん慌ててたけど、裕介くんは紫に何て言われたの?」


……『ごめんね』なんて言わないでよ。


ギュッと軋んだ心を静めるようにぐっと唇を噛み締めてから、ゆっくりと言葉を返した。


「『香織が、ヤバい』って。それだけLINEが入ってたんだ。どういう事?って聞いても既読も付かないし、紫ちゃんに電話かけても電源切られてるし。不安で心配で、急いで帰って来たら香織ちゃんの車が無いから、病院にでも担ぎ込まれたのかと思って、ほんと焦った」


「……ごめん。また迷惑かけちゃったね」


迷惑なんか一つもかけてない。


……お願いだから、そんな悲しい目で『ごめん』って言わないで。



香織ちゃんは悪くない。……香織ちゃんの気持ちを無視して、自分の欲をぶつけてしまった僕が悪いんだから。


そう思ってる今だって、香織ちゃんをめちゃくちゃに抱き締めてしまいたくてたまらないのに。


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