chocolate mint
抱き締めたい。だけど、抱き締めちゃいけない。


もどかしい気持ちを抱えたまま、僕の目の前で正座をしたまま膝の上で固く握りしめていた香織ちゃんの両手を、そっと握って包み込んだ。


さっきまでは逸らしていた視線を、しっかりと合わせて話かける。


「……それは違う。違うよ。前にも話したと思うけど、これは僕がしたくてした事なんだ。だから香織ちゃんは気にしなくていいんだよ」



……香織ちゃんは僕のこと、どう思ってる?



やっぱり友達以上には思えない?



『香織ちゃんがどう思っていたっていい』



……なんて強気な事は、どうしても僕は言えないんだ。



嫌われたくない。だけど、嫌われても嫌がられてもこの手を離したくない。



……もう、誰にもこの手を取らせたくない。



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