chocolate mint

このままお願いを聞くのは正直面倒だったけど、崎山先輩が家に来るってのが何か引っ掛かった。


「分かった。崎山先輩、どうかしたの?」

と、つい聞いてしまっていた。


紫ちゃんは暫く黙ってから、「……香織さ、純くんに完全に振られたらしいんだよね。奈緒子ちゃんとも修羅場になって」と苦々しい顔で言った。


「えっ?」


崎山先輩が純くんと同じ学校に勤めている事も、まだ崎山先輩が純くんの事を好きだったって事も、純くんと奈緒子ちゃんの関係に全く進展が無かったって事も知らなかった僕は、紫ちゃんの言葉にただただ驚いていた。


紫ちゃんは複雑な顔をしている。


それはそうだ。紫ちゃんは奈緒子ちゃんとも仲がいい。


「昨日ね、奈緒子ちゃんのお母さんが家に髪を切りに来てて、奈緒子ちゃんが連休前に入院してたって話をしたらしいのよ。私、何も知らなかったからびっくりして……それで退院したばっかりの奈緒子ちゃんに電話はできないなって思って、純くんなら何か知ってるかもって思って電話してみたのね」


「そしたら、純くんが『香織を傷つけてごめん』って謝ってきて。純くんはね、私が香織から話を聞いて電話してきたって思ったみたいなの」


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