記憶のない夢の国
AM 8:00

「おはよ~!!
今日も1日頑張ろ~!!」
この元気なやつは麻衣。
やつって言ったら怒られると思うが、もう1度。
やつは幼馴染だ。
「おはよー。相変わらず元気だね。」
「翔汰は元気無さすぎるんだよ!!ほら、もっと背筋伸ばして!!」
バシッ
「いって…。力加減というものを知らないのかよ!!笑」
「はいはい。ごめんなさーい!笑」
ほぼ毎日変わらないやり取り。

AM 8:50

朝礼が終わって小説を読んでると…。
「また先輩の本読んでるのかよ笑
相変わらず進歩しないな~♪」
こいつは藤堂雪弥。まぁ俺は藤堂と呼んでる。
「うるさいな。しょうがないだろ。」

先輩っていうのはもちろん妃莉先輩。
妃莉先輩はよく図書室で本を借りていて、俺は運良く(それを知っててわざと)図書委員なので先輩が返却した本を毎回借りて同じのを読んでいる。

「話題作りしやすくなるんだからいいだろ!!」

「話題の前に話したことないくせに笑」

「緊張してはなしかけることができないんだよ…。」

そう、俺はまだ先輩と話したことがない。
見るだけ。ただそれだけ。



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