紳士的上司は愛を紡ぐ
───「それではお聴きください、どうぞ。」
曲紹介をして、一旦裏へ下がる。
基本的に、涼子と交互に曲紹介をする為、
バトンタッチをしようと彼女の背後から声を掛ける。
「島崎アナ、
次の曲紹介お願いしま、…… ………っ!」
声を発したと同時、
目の前にいる彼女の足元がふらつく。
咄嗟にその身体を受け止め、
「涼子っ!?」
と、無意識の内に声を上げていた。
その声に気付いたのか、近くに控えるスタッフさん達が即座に駆け寄る。
「島崎アナの体調が悪いみたいです。
救護お願いします……!!」
「………麻里、ごめん、大丈夫。
ちょっとふらついただけで……。」
彼女は申し訳無さげに立とうとするが、その肩は未だに震えている。